2013年5月29日水曜日

5月25日クラヤミノtones「クラヤミノボイストレーニング」

少し遅くなってしまいましたが、5月25日にクラヤミノtones「クラヤミノボイストレーニ
ング」を実施しましたのでレポートをさせていただきます

暗闇でのボイストレーニングを医学・心理学の立場からたむらさんが、実際に声を出している実践者としての立場からウィリアムさんがアプローチしていきます。お二人に共通しているところは原理原則への興味だということです。立場が違うので言葉は違う場合はありますが、ニュアンスはとても近い場合がありました。重要なところが何度も言葉を変えて、いろんなアプローチで投げかけられるのでとても厚い(熱くもある)レクチャーでした。

実際に声が出せる、とか、テクニックを習得しているのも重要だが、声を出す自身の状態がよくなければいい声は出せないし、自分の状態、自分の声の状態をメタに、客観的に見れないといけない、とたむらさん、ウィリアムさんは言います。この二つを組み合わせて講座ができるのはこのお二人のタッグだからだと思います。

クラヤミノボイストレーニングでは最初に参加者の身体の機能の状態を数値で記録をとりました。
・何秒息を吐き続けることができるか
・何秒声を長く出せるか
・何秒息を止めていることができるか
などを、2チームになって記録をとります。
こんなことはなかなか日常することはないので、いきなり、自分の状態に対しての驚きがありました。

次に呼吸と息に関しての実践と記録をした自身に対していま何を感じているか、自分の身体の状態がどうかを書き出しました。そして、たむらさんからマインドフルネスの座学があります。ストレス低減法ともいい、ヨガや禅をベースにした自分自身を知る、コントロールする手法です。たむらさんは「自分が感じている気持ちにポストイットを貼るようにラベルをはっていくことが重要だ」とおっしゃていました。呼吸をしながら自分のいまの感情を感じるというワークを座学の後でおこないました。

これまでで、自分の身体のいまの状態を知り、自分気持ちのいまの状態を感じました。ここで徐々に暗闇にうつっていきます。

暗闇の中ではウィリムさんのワークがはじまります。今度は自分の意識を内面ではなくて外側に広げるようなワークが行われました。ウィリアムさんのインストラクションに従い、俯瞰するように、全身に意識を向けます。こうすることによって全身の神経が動き始め、様々な感覚が立ち上がります。その状態で、即座に動ける状態を作っていきます(100M走でスタート地点にいる陸上選手のような状態)。

「言葉で手法をシェアすることはできますが、自分ができるときのその感覚は自分だけのものです。できている感じを感じ取ってください」とウィリアムさんはいいます。この状態ではお客さん同士も自分の手すらも見えません。自分の意識に集中した状態で、どうすれば意識が、感覚が外に拡張するいい感じを作れるか、参加者は探ります。

その後に声を出していきます。息に声をのせる段階から徐々に音の高低、音量の大小などバリエーションを出していくのですが、参加者の方々の声がこのとき躍動しているというか、生命力に満ちていました。最後の5分程は参加者のみなさんは自分がどんな声が出せるのか、いろいろ探られました。

ここでだいたい2時間です。あっという間の時間でした。徐々に会場を明るくしていきました。

明るくしたあとはもう一度、最初にしたテストをおこない、最初の状態との差を定量的に見てみます。

最後の振り返りでは様々な意見、感想、質問がでました。このときの感じ方が人それぞれだったのが、このワークの感じ方はそれぞれだ、ということに共通していたかもしれません。

終了後にはメーリングリストが立ち上がり、ウィリアムさんから当日のワークの構成表が送られてきました。体験を忘れないようにするためのヒントも添えられていました。日常の中には刺激が満ちあふれています。様々な快感、不快、喜怒哀楽、そういったものの中で、どうしても暗闇で体験したことというのは日常の感覚とは遠いものでもあります。しかし、めちゃくちゃ、貴重で身につけておくべき身体の感覚です。

ウィリアムさんのメールには「知識は、日々の生活の中で得た実感でしか身になりません。学びは、自分なりに実行しなければ、学んだとは言えません。」とありました。まさにその通りですね。このボイストレーニングはちょっとした非日常的な体験というよりも、日常で活かすべき様々なヒントが含まれるワークショップです。

気軽な参加ではもったいないですが、興味があるな、と思った方は参加されると得るものは大きいと思います。

次回は6月22日(土)課題曲習得編。見学者のみ募集しています。下記からお申し込みください。
http://www.uplink.co.jp/event/2013/11563




2013年5月24日金曜日

体育会系ロボット学に出席しました。

https://www.uchida.co.jp/seminar/130521/index.php


「守破離」-ロボットの運動知能(京都大学・松野 文俊 氏)、人間のプライド(公立はこだて未来大学・松原 仁 氏)、現象学的にロボット学を捉えると?(大阪大学大学院・大須賀 公一 氏)、想定外シミュレータ(産業技術総合研究所・野田 五十樹 氏)、消えるロボット(慶應義塾大学・稲見 昌彦 氏)の5つの講演を聞いた。

この登壇者5人のうち4人が体育会系の出身だからこの名前がついたらしい。プレゼンで決まっているのははじめに自分の運動歴を紹介する事と、そことつなげて自分の研究を紹介する、ということだったのだと思う。

個人的には松野氏と松原氏のお話がおもしろかった。松野氏は生物の動きをロボットで再現する、という例をいくつか話してくれた。最初に運動部の大車輪、蛇、そして、群れで動くアリ。群れで動くアリに関しては単体での動きではなく、近くにいるアリと情報をやりとりし、近くにいるアリとの状況を保とうとする事、例えばある一定の距離を守るということ、によって、全体の動きがうまくいく(例えば全員、障害物がよけられる)。

これらは動きを同制御するか、であって、自分の身体にあった運動をするという性質は現れていない。そこで、学習するロボットというのを作ったらしい。それは繰り返し失敗を繰り返して目標を達成するというプログラムなのだけど、四肢のついたロボットが大車輪ができるようになる例が紹介された。そうするとモーターの位置の関係なのだと説明されていたが、人間のやる大車輪と違う大車輪をロボットはするようになる。

松野氏が言っていた「知能は身体に宿る」、「集団の群れの知」というキーワードがとても気になった。

続く松原氏はコンピュータ将棋の話をするのだが、計算主義の立場から言うと人間がコンピュータに将棋で負けるのは当然だったと話しをされていた。それはそうだな、と思うのだが、チェスのチャンピオンと将棋の選手の違いの話しで、チェスのチャンピオンには栄養士やコーチが着いて、試合前にはホテルの1フロアを貸し切って準備するという話が、本当かどうか調べていないが、面白かった。身体を使ってする作業であるかぎり、知能を使ってする作業である限り、どちらのコンディションの調整も大事なのだと感じられた。

体育会系といってもスポーツのときはめちゃくちゃ頭をつかっているし、頭脳系といってもアウトプットの際は身体をつかうわけだから、どちらも切り離せないのが当たり前のわけだ。

そこにきて、どちらに偏ると人間は簡単にコンピュータに負けてしまう可能性があるのだと思った。力や速さでは当然、コンピュータの制御するマシーンにかなわないし、将棋やチェスだってコンピュータのプログラムにはかなわない。でも、まだ、どちらもバランスがとれて出来る人はコンピュータにはまだまだ負けないだろうな、と感じた。

あとは大須賀氏のシュミレーションの話もおもしろかった。人間が気づかないボトルネックをシュミレーションをすることで発見する事ができる。でも、それは実際の状況ではないので、あくまでもシュミレーションだと思って人間は柔軟に対処できないといけない。でも、失敗は小さくすることができる。

頭脳と身体、両方とも鍛えていく事、その上でコンピュータを利用する生活、というのが一番賢いし、めざすところだと思いました。

2013年5月23日木曜日

坂の上の雲

何ヶ月前からか、電車で寝てるくらいだったら楽しい本を読もう、読むくらいだったら知らない世界史、日本史が知れるようなのを読もう、と、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み始めて、4巻にきた。2年前に友達に連れられて「坂の上の雲ミュージアム」にいったときはまったく面白さがわからないし、こんな長編絶対人生で読まないだろうと思ってたらふとしたことで読み始めて、はまりました。また「坂の上の雲ミュージアム」にいきたい。