2011年8月10日水曜日

7/14クラヤミノtonesレビュー


7月14日、クラヤミノtones『Throat of Japan』第二回を開催しました。
この日はかなり日差しが強く、汗が流れる暑い真夏日でした。
会場に向かう道すがら、アイスを食べたのを覚えています。
こんな熱気はtonesで吹き飛ばしてしまいましょう。
実際にtonesで元気が出たというお声もいただいています。
写真はアップリンク前の看板ですね、
右上にtonesのチラシが貼ってあります。
さて、『Throat of Japan』では毎回際立った喉をお持ちのゲストをお招きしていますが
今回は日本の伝統芸能である義太夫節をテーマに
女流義太夫の竹本駒佳さん、義太夫三味線の田中悠美子さんにいらしていただきました。
写真は会場設置の風景です。

19時30分からスタートしました。
まず、竹本さん田中さんのライブから始まります。
三味線の音がマイクを通してないのに会場の壁を中から押すような、というか
すごいパワーを持っていたのが印象的でした。
義太夫節の三味線は一般的な三味線よりも竿が太いとのことです。
義太夫節の竹本さんは清楚でお綺麗な外見から想像できないすごい声量です。
こちらもマイクは通しておりません!
義太夫節は「語り物」(つまりお話)なので、
音楽的なところとお話を語り聞かせてもらっているような二つの面がライブの中にありました。
時折、三味線が語りに合いの手を入れます。
言葉は標準語とは少し違うので意味を把握しにくい部分もありました。
ときおりロック歌手のようにがなり声、かすれ声になる竹本さんのボーカルに圧倒されます。
また三味線もエフェクターのかかったエレキギター顔負け?の
倍音のかかったノイジーな音も出てました。
10分の短いライブでしたが
それでも十分にお二人のパワーを知ることができました。
トークでは竹本さん、田中さんに私が質問し、また、ウィリアムさんにコメンテーターとして参加していただきました。
義太夫節とはなんぞや、義太夫節はいつできたのか、といった話にはじまりました。
会場に義太夫節を生で見たことがある人がいるかアンケートをとったところ。
この日の会場には女流義太夫経験者はいらっしゃいませんでした。
ライブの演目は忠臣蔵のなかの『裏門』という演目だったのですが
これに関しては何人か気づいた方がいらっしゃいました。
語りの中の登場人物の名前で気づかれたということでした。
話は竹本さんの声を出す時の姿勢や田中さんの三味線を弾く時の呼吸にも及びました。
今回のtonesでは椅子に座って語っていただきましたが
普段は台のような椅子にお尻を置いて、そして、床に膝をつけて
つま先をつけて足の裏を立てるような感じで座って語るそうです。
語る時は「声を出すのではなくて、息に声を乗せる」ように語る、と。
この声の出し方に関して、失礼、乗せかたに関してはtonesでの指導と一緒でした。
田中さんはライブ中に竹本さんが動的な感じで演目を語っているのに対して
微動だにせずに伏し目がちに三味線を弾いていました。
三味線は語りの呼吸に息を合わせて、
よい語りができるようにサポートする役目とのこと。
呼吸も深くすって吐くのではなく
半分くらいの呼吸を維持しているそうです。
うーん、奥が深い。
ひとしきりトークが終わった後は恒例のウィリアムさんの呼吸ワークです。
今回はいつもの三相呼吸(吸って、ためて、吐く)の呼吸法から
声を遠くに飛ばすイメージで声をだすワークをしました。
これは次にくるクラヤミノtones×義太夫がいつものo-e-iとは違うため
今回のためにアレンジされたものでした。
呼吸ワークが終わった時点で会場は真っ暗になりました。
ここからは竹本さんから会場に対して最初の『裏門』のワークショップになります。
まず、詞章を区切って竹本さんが読むので
それの後をついて会場は復唱します。
ちょうど英語のrepeat after meみたいな感じですね。
そして、今度は節をつけて竹本さんが読むので
これも会場は後をついて真似をします。
最後に竹本さんが全力で語りをします。
会場も全力で竹本さんの語りを復唱しました。
この3ステップの詞章の復唱で義太夫節を体験しました。
以上のステップを別の情景も復唱をして
3回ほど繰り返しました。
その都度、竹本さんから物語の解説が入りました。- 元のメッセージを隠す -
竹本さんの声が素敵なのも相まって真っ暗の中では明るい中よりイメージが膨らんだ気がします。
そして、最後にもう一度「裏門」を聞きました。
最後に聞いた「裏門」は最初に聞いた「裏門」とは別物でした。
イメージがどんどんふくらんでいくし
語りに合わせて情景が変化していく感じが体験されました(実際は何も見えません)。
音楽は一瞬にして場の雰囲気を変えますが
暗闇の義太夫は映画をみているような印象を覚えました。
そして、ワークで体験した箇所に関しては物語が一層身体に入ってきました
初めて聞いた時は少し難解だったテキストも
一度復唱するとすんなりと意味が入ってきます。
意味がわかり、味わえると嬉しい、楽しい気持ちがより一層するんだと感じました。
こういう風に伝統芸能が楽しめる機会があるといいですね。

9の江戸小唄の柳家小春さんのクラヤミノtonesもいっそう楽しみになります。


明日の福岡ユタカさんをゲストにお招きします。
今までクラヤミノtones気になっていても、体験していない方、是非!

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